インタビュー特集

70年の歴史を持つ「第三劇場」 学生演劇に憧れ京都へきた団員の目的は、ハイクオリティなオリジナル脚本

「学生の街」京都には多くの学生演劇サークルや劇団が存在し、個性が光る舞台表現に取り組んでいます。京都を代表するサブカルチャーである学生演劇の世界と、そこで活躍する学生たちにスポットを当て、知られざる学生演劇の魅力に迫る「学生演劇応援団」のインタビュー特集。第10回は、第三劇場を取材しました。
同志社大学を拠点とする第三劇場の創立は1954年。約70年の長い歴史の中で、生瀬勝久さんやキムラ緑子さんといった名だたる俳優を輩出しています。現在は30人のメンバーが所属し、会話劇を中心とした完成度の高いオリジナル脚本が好評を得ています。今回は、座長の安嶋泉さん、副座長の大曲杏さん、寺田恭子さんに話を聞きました。

(写真提供:第三劇場)

──はじめに、第三劇場はどのような演劇サークルか教えてください。

安嶋:第三劇場は同志社大学にある三劇団のうちのひとつです。1954年に創立され、来年には70周年を迎える歴史のある演劇サークルです。所属している人数は30人。毎回、そのうち10〜15人ほどが公演に参加します。

寺田:やりたい時にやりたい人が集まって公演する感じですね。

(写真提供:第三劇場)

──同志社には3つ劇団がありますが、第三劇場を選んだのはなぜですか?

大曲:同志社大学の劇団は、3劇団ともカラーが全く異なります。第三劇場の一番の特徴はオリジナル脚本での公演ができることです。高校時代も演劇をしていたのですが、その頃から脚本を書くことが好きだったんです。第三劇場にはすごく面白い脚本を書く先輩がいて、私はその方に憧れてこの劇団を選びました。ちなみに、昨年の冬公演、『ファインダーズ・ハイ!』は、私が脚本を書きました。Youtubeで見られるのでぜひチェックしてみてください!

寺田:すべての劇団の公演を見に行きましたが、やはり第三劇場のオリジナル脚本に惹かれました。創作なのにこんなに面白い演劇ができるんだ!と感動したんです。色々なジャンルができそうなのも魅力的でしたね。

(写真提供:第三劇場)

──オリジナル脚本が第三劇場の魅力なのですね。3月公演『CHICAGO』は既成脚本だったと聞いています。

安嶋:本当に久しぶりの既成脚本でした。演出の子がミュージカルをやりたいと言い出したのがきっかけでした。

大曲:第三劇場の公演は会話劇が多く、役者が踊ったりする大きな動きがある演劇は、これまで少なかったです。この公演で、役者たちの演技の幅を広げられたと思います。

(写真提供:第三劇場)

──さまざまなジャンルに挑戦してスキルを高めているのですね。皆さん実力派のように感じますが、初心者でもついていけるでしょうか。

安嶋:経験者もいますが、団員の半数以上が初心者から始めています。私は大学から演劇を始めました。新歓イベントでセリフ読みを体験させてもらった時、先輩たちが褒めてくれてすごく楽しかったんです。舞台を見ているだけの時は「演技なんて難しそう」と躊躇していましたが、やってみたら自分にもできるかも!と思えました。

寺田:私は高校生の頃、演劇部に所属していました。部活の先輩が第三劇場に入っていて、雰囲気とか特徴とか色々教えてくれて。それがとても楽しそうだったので、第三劇場への入団を決めました。第三劇場は初心者でも気軽に入りやすい雰囲気ながら、レベルの高いオリジナル脚本など経験者のニーズも満たしているんです。初心者も経験者もどちらも満足感のある活動ができますよ。

大曲:私も高校生の時から演劇をしていて、学生演劇がしたくて京都の大学に進学したんです。地元の福岡でも、京都は学生演劇の盛んな街として有名でしたから。

(写真提供:第三劇場)

──学生演劇のために京都への進学を選んだんですね!並々ならぬ熱意が伝わってきましたが、演劇の魅力とはなんですか?

大曲:お客さんの反応がリアルタイムで見られる点だと思います。実際の公演では、客席の反応によってお芝居が変わっていったりするんですよ。ウケたら演技が乗ってきたりだとか、そういったお客さんと演者の一体感やライブ感は、他の創作ではなかなか味わえないんじゃないかな。

──第三劇場の演劇が見たくなってきました。近いうちに公演はありますか?

安嶋:4月28日、29日、30日に新歓公演を行います。現代を舞台にした会話劇で、家族がテーマになっています。私は主人公を演じます!是非見にきてほしいです。

大曲:また、今年はコロナで中止されていた合同新歓イベントを、3年ぶりに復活させる予定です!同志社三劇団と京田辺ないん会も入れて、4つの劇団合同でzoomで行います。それぞれの劇団の個性や雰囲気を感じてもらえると思います。演劇サークルに入りたいけど、どこにしようか迷っている新入生にオススメのイベントですよ。

寺田:コロナで減ってしまった劇団同士の交流を復活させて、互いに切磋琢磨していきたいです。現在、第三劇場は新歓イベントに向けて準備中。新入生の皆さん、ぜひ足を運んでみてくださいね!

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