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「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」 2月、シアターE9で「共通舞台」による「ハムレット」上演!

2月17日(金)から3日間、「共通舞台」による「ハムレット」が京都市南区のTHEATRE E9 KYOTOで上演される。そのプレイベントとして、演出を手がける村上太基(共通舞台)が通う京都芸術大学の大階段上ピロティで、「ハムレットとオフィーリア」の名シーンが10分間上演された。

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」。鈴木嵩久(共通舞台)が演じるハムレットの名台詞は、どこか今現在の空気感に通じる同時代的なリアリティが漂う。関わるすべての人が対話を重ね、そこから生まれるクリエイションで仕上がる共通舞台の「ハムレット」に、ぜひ注目してほしい。

共通舞台「ハムレット」についての詳細はこちら→
https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20230218

 

ハムレットを演じる鈴木嵩久

 

ハムレットの鈴木嵩久(右)と、オフィーリアの扶蘇未由名(左)

 

演出の村上太基

『ハムレット』上演によせて

「現代にほんとうの芸能は存在するのか?」
僕はこの問いから創作を出発させました。
コンテンツと呼ばれるさまざまな消費対象が蔓延る現代で、さまざまな人々がさまざまなものを消費していく。
そんな状況に悲涼を感じ、単なる消費対象に収まらないものをどうにか創作しようと思いました。
コンテンツでもなく芸術でもない、そのあいだの「芸能」がいま必要ではないだろうか。僕はそう感覚しています。
「ハムレット」は、なんだか分からない部分もある。しかし人を感化する力があり、これは「芸能」になり得る。そう思いました。
「ハムレット」内の人物たちは、こうありたいという理想と、そうなれない現実との境界で歪み、苦しみ、闘います。僕は、「これは私たちの姿そのものだ」と感じざるを得ませんでした。このように、「ハムレット」には僕らが求めているもの、そして不足しているものを気付かせてくれる力があります。どうかそれを一身に食らってください。
『ハムレット』の上演が、「世界のお客さん」になってしまった我々の、「世界の一員」への一歩となりますように。

村上太基