インタビュー特集

型破りな自由さが魅力の「劇団愉快犯」1年生も交え、9月に公演開催

「学生の街」京都には多くの学生演劇サークルや劇団が存在し、個性が光る舞台表現に取り組んでいます。京都を代表するサブカルチャーである学生演劇の世界と、そこで活躍する学生たちにスポットを当て、知られざる学生演劇の魅力に迫る「学生演劇応援団」のインタビュー特集。第4回は、劇団愉快犯にお話を聞きました。
様々な大学のメンバーが集まる劇団愉快犯は、10年ほど前に創立された演劇サークルです。台本のない即興劇や、ビンゴゲームの要素を取り入れた公演といった型破りなおもしろさについて、メンバーの向谷陸さん、西田早希さん、南綾香さんが話してくれました。

(写真提供:劇団愉快犯)

──愉快犯は、どのような演劇サークルですか?

向谷:京都大学、同志社大学、京都芸術大学から20〜30人ほどが集まって活動しています。創立は12〜13年前と、比較的新しいサークルです。

西田:愉快犯の一番の特徴は、いい意味で「決まった色がない」こと。扱う作品はコメディが多い傾向はありますが、そのとき所属している団員によって、サークル自体の色が変わっていきます。創立当時はそれぞれの個性をぶつけ合って作品を作っていたようですが、今はそれぞれの個性を融合して作品を作っています。

──今の愉快犯の特徴を教えてください。

向谷:「他にはない自由さ」が、今の愉快犯の色だと思います。例えば、Youtubeでも配信している2021年11月の「エチュード祭り」という公演では、脚本なしの即興劇に挑戦しました。

西田:「エチュード祭り」は、即興の音響や照明に合わせて役者が動く「バキ練」、即興でボケて、狙ったツッコミへと誘導する「ツッコミビンゴ」など、型破りな企画ばかりに挑戦しました。まだ新しく、決まった色がない愉快犯だからこそできることだと思います。

(写真提供:劇団愉快犯)
(写真提供:劇団愉快犯)

──皆さんはどうして、愉快犯に入ろうと思ったのですか?

:私は、型にとらわれず、その場にいる人たちと作るものを大切にしている、愉快犯の先輩たちに惹かれて入りました。

西田:私個人は、人前で即興劇を演じることができるタイプではありません。だからこそ、そういうことを楽しんでいる人を見ているのは楽しいし、私もその一員になりたいな、と思いました。

向谷:私が入ったときのメンバーは、みんながお互いを信頼し、それぞれの役割に真摯に取り組む、職人集団のような雰囲気でした。そういう直向きさに惹かれて「かっこいいな」と思って入りましたが、和気藹々とした今の雰囲気もまた気に入っています。

(写真提供:劇団愉快犯)

──今のメンバーで、近いうちに公演はあるのですか?

:9月10日、11日に夏公演を行います。1年生が新しく加わってから、初めての公演です。新型コロナの影響で5月の公演が中止になり、サークル全体のエネルギーがしぼんでしまった時期もありました。しかし、今度は1年生も交えた新たな雰囲気の中、公演を成功させようとみんなで意気込んでいます!

西田:今回の公演で、新たなメンバーの個性も引き出せたらいいなと思っています!

(写真提供:劇団愉快犯)

──個性を引き出す」のは、なかなか難しいことだと思います。どのようにすれば個性を引き出せるのでしょうか。

向谷:これは、私たちにとっての今後の課題でもあります。創立当初よりも人数が増えた分、それぞれの個性を生かす、ということが難しくなってきています。個性を引き出すためにどうすればいいか、悩みながら模索しているところです。例えば、誰でも演出に意見を言えるようにしたり、できるだけフラットな環境を作ることに力を入れています。

西田:……。

向谷:…私たちは座組に入っていないので、まだ全く知らないんです(笑)。これもまた愉快犯のおもしろさだと思っています。

:メインとして1つ予定している中編は、ラブストーリー要素も入ったコメディです。もう1本は、私もまだ知りません(笑)。

(写真提供:劇団愉快犯)

──おもしろいですね! 冒頭でも、愉快犯の公演は主に喜劇というお話がありました。愉快犯の考える「喜劇」について教えてください。

西田:「喜劇はお客さんが楽しんで笑ってくれれば、それで成功だー」。これは先輩から教えてもらったことの受け売りですが、作品を作る側も、見ている側も幸せになれるのが喜劇の良さだと思います。王道のおもしろさはもちろん、シュールな笑いもあったり、さまざまな角度からアプローチできるのも、喜劇の楽しさです。

──9月の公演はどんな角度から笑わせてくれるのか、楽しみです!

:1年生が入ったことで、私たちもどんな公演になるか、楽しみでワクワクしています。9月10日、11日に合計4回上演します。ぜひ見にきてください!

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