インタビュー特集

半世紀の伝統誇る「劇団立命芸術劇場」 日常描く会話劇を中心に、コメディにも挑戦

「学生の街」京都には多くの学生演劇サークルや劇団が存在し、個性が光る舞台表現に取り組んでいます。京都を代表するサブカルチャーである学生演劇の世界と、そこで活躍する学生さんたちにスポットを当て、知られざる学生演劇の魅力に迫る「学生演劇応援団」のインタビュー特集。記念すべき第1回は、劇団立命芸術劇場を取材しました。
創立から50年以上続く通称「リツゲイ」は、立命館大学で活動する伝統ある演劇サークルです。17人のメンバーが在籍し、日常を描いた会話劇を得意としています。ひたむきさの中ににじむ、隠しきれないコメディの気配−。今回は、団長の菅田倫代さんをはじめメンバー6人に話を聞きました。

(写真左から)産業社会学部3年生 黒田智哉さん、経営学部3年生 菅田倫代さん、法学部2年生 青木智也さん、法学部3年生 真鍋秀平さん、文学部2年生 宮本優希さん、文学部2年生 前田プロさん

──劇団立命芸術劇場の演劇の特徴について、教えてください。

菅田団長:日常の話を扱うことが多いです。テレビドラマをイメージしてもらえるとわかりやすいかと思います。私は入団前に、「会話劇を中心とする演劇サークル」とホームページで見て、面白そうだと思い、リツゲイに入団しました。

真鍋:喜劇が多いのも特徴です。最近行った新歓公演も喜劇でした。私はもともとシリアスな劇がしたいと思い、リツゲイに入ったのですが、いざ入ってみたら喜劇が多くて…。でも、やっているうちに、だんだんと喜劇の方が好きになりました。今では劇中でモノマネや一発芸もしています。

──すごい変化ですね!

宮本:モノマネや一発芸は、前年度の代から受け継がれてきました。劇中に面白い要素を入れるのが、今のリツゲイのカラーと言えるかもしれません。

青木:先輩たちが卒業し、ちょうど新たな代に変わったタイミングなので、自分達の劇を作るために、試行錯誤しながら模索しているところです。

──なるほど。先日の新歓公演「暗殺は計画的に」(作:上野小夜、原案:金宏樹、演出:しのののか)がYoutubeで公開中ですが、見どころを教えてください。

「暗殺は計画的に」(写真提供:劇団立命芸術劇場)

真鍋:借金の取り立てに悩まされている中年の男が、「暗殺業者」と間違えて「害虫駆除業者」に暗殺を依頼してしまう、というストーリーです。私が演じる主人公はすごく弱い人間なのですが、真面目すぎるが故のコミカルさや、トラブルを通した人間としての成長など、楽しんでいただけると思います。

「暗殺は計画的に」(写真提供:劇団立命芸術劇場)

菅田団長:全員主役と言っても過言ではないくらい、キャストそれぞれの個性が強いです。個人的には、劇の最後の最後、終わる直前のシーンがお気に入りです!

「暗殺は計画的に」(写真提供:劇団立命芸術劇場)

青木:演出も、箱庭型の四角い舞台という限られた空間の中で、工夫をこらしています。私は照明を担当したのですが、劇の最初はお客さんを惹きつけるため、インパクトのある照明と音響ではじまり、劇中では場面や雰囲気によって照明の色を変えています。

「暗殺は計画的に」(写真提供:劇団立命芸術劇場)

前田:例えば、借金取りの会社が登場する場面は冷酷なイメージなので青色、害虫駆除の会社は平和なイメージなので暖色の照明を使っています。この辺りの視覚的な演出の面白さも、ぜひYoutubeで確認してもらえればと思います。

──新たな代で走り出したところなのですね。では、新たな代での目標はありますか?

菅田団長:団としては、まだ大きく一つに決めた目標はありません。でも、メンバー個人としては、それぞれ目標があるのではないかと思います。

真鍋:私は、卒団までにラブコメをやりたいです! 実は新歓公演の候補にラブコメがあり、セリフも半分覚えるくらいに、どうしてもやりたかったのですが、諸事情で叶わず…。役者でも演出でも裏方でも、ポジションに関わらず、団として是非一度、ラブコメをやりたいなと。今年の秋で卒団するので、後悔のないようにやり切りたいです。

黒田:私は、リツゲイが大学の公認団体になることです。今は同好会という立ち位置なのですが、大学から公式に認められた団体になれたらなと思います。

前田:私は舞台作りにさらに力を入れたいです。昨年1年間はずっと裏方をやっていたのですが、4月の新歓公演で役者として初めて舞台に立ちました。それまで「作って終わり」だと思っていた裏方の活動の見え方が、初めて舞台に立つ感覚を知ったことで大きく変わりました。

──実際に舞台に立ってみて、改めて舞台作りの大切さを感じられたのですね。全員一度は役者を経験されたのでしょうか。

青木:私はまだ一度も役者をしたことがありません。今の目標は、役者として舞台に立つことです!

宮本:舞台に立ってわかること、多いですよね。私は新歓公演で、有観客公演の舞台に初めて立ち、お客さんがいるときの公演場の空気は特別だなと思いました。無観客公演で録画カメラに向かって演技をするのとは異なり、お客さんの反応が目に見えることで、それに合わせて、間の取り方や演技に変化をつける体験ができました。その場の雰囲気を感じながら、舞台の上で柔軟な演技ができるようになることが私の目標です。

菅田団長:私は逆に、裏方をして気づいたこともありました。リツゲイに入った当初は役者を希望していたので、裏方は目立たないポジションだと思っていました。でも、昨年1年間裏方スタッフを経験して、リハーサルを見たときに、完成した劇を一番最初に見ることができる喜びを感じました。スタッフって、すごくいい仕事だなと感動しました。だからこそ、団長としても、裏方スタッフとしても、自分の担う仕事をきちんと丁寧に、責任を持って進めたいと思います。

──次の公演についても教えてください。

真鍋:リツゲイは年に4回公演をしています。新歓公演、夏公演、卒団公演、冬公演です。今はちょうど、夏公演に向けて動き出したところです。

菅田団長:夏公演でどんな劇をするか、団員みんなで作品を決めているところです。上演する作品は、いつも投票で決めています。決まり次第、役者のオーディションで配役を決めて、稽古が始まる予定です。新歓公演がとても楽しかったので、夏公演も楽しみです! 今年のリツゲイらしい舞台を、多くの方にご覧いただければと思います。

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