インタビュー特集

メンバーの個性が光る「演劇集団Q」 少人数だからこそできる、エネルギッシュな作品づくり

「学生の街」京都には多くの学生演劇サークルや劇団が存在し、個性が光る舞台表現に取り組んでいます。京都を代表するサブカルチャーである学生演劇の世界と、そこで活躍する学生たちにスポットを当て、知られざる学生演劇の魅力に迫る「学生演劇応援団」のインタビュー特集。第12回は、同志社大学を拠点に活動する演劇集団Qを取材しました。「アカデミック・エロティック・バイオレンス」をモットーに、毎公演、熱量の高い作品をつくる演劇集団Q。今回は、座長の桶田さん(芸名:電波ちゃそ)、団員の松本さん(芸名:目に入れたら痛い)、板倉さん(芸名:マシンガン◉チェリー)にお話を伺いました。

写真提供:演劇集団Q

──皆さんが「演劇集団Q」に入ったきっかけを教えてください。

桶田:中学生のころから、習い事の一つとしてミュージカルをしていました。大学でも演劇を続けたいと思っていた中で、演劇集団Qの新歓公演を見て入団を決めました。新歓公演は、先輩方の表現力が素晴らしく、言葉そのもの、セリフそのものが持っている力を何倍にもふくらまして観客に届ける力に感銘を受けました。

松本:高校時代に文化祭がなかったこともあり、大学に入学したら「文化祭みたいなことがしたい!」という思いが強くありました。入学当初は他の規模の大きな劇団に入っていたのですが、少人数だからこそできる、全員が全部署に関わる「全員野球」のような作品制作に魅力を感じ、演劇集団Qにも入団しました。

板倉:高校時代に野球部に入っていたのですが、打者のとき、体の近くを掠めたボールを強く痛がってみたら、デッドボールの判定になったことがありました。そこから密かに自分の演技に自信を持っていたところ、地元の友人がタイミングよく「演劇をやろう」と誘ってくれたので、入団を決めました。(笑)

写真提供:演劇集団Q

──皆さん入団のきっかけも様々で、個性豊かですね!数ある学生劇団の中で、「演劇集団Q」の特徴はどんなところだと思いますか?

桶田:代によっても異なりますが、今の代は、既存の演劇の形式などに縛られず、「今、自分たちが面白い、やりたい、と思っていること」にとにかく挑戦しようという雰囲気が強くあります。各メンバーの「面白い」を追求した結果として、自然と演劇集団Qっぽさが生まれてくるような気がします。

板倉:団員はほとんど先輩の演劇を見てから入団していることもあり、作品の好みや、やりたいことも先輩の作品から影響を受けているので、ある程度共通しています。作品を作る過程で、今のメンバーのやりたいことを追求すると、演劇集団Qらしいカラーの作品にまとまっていきます。

写真提供:演劇集団Q

──今のメンバーが「面白い」と思うことを大切にした結果として、「演劇集団Q」らしさが生まれるのですね。作品づくりの特徴や工夫を、より詳しくお聞きしたいです。

松本:とにかく根気よく会議をしています。会議の中で意見が対立している時に、全く違う角度から、みんなを納得させるような答えが出てくることがあります。そんな答えが出てくるまで諦めずに、議論を続けることを心がけています。演出が一方的に指示をするのではなく、全員で意見を出し合う雰囲気ができていて、自分の担当部署以外のプランにも、お互いにどんどん意見を出していきます。

板倉:いつも誰かが稽古場にいることも、コミュニケーションのしやすさにつながっています。団員数が10数名と少ないこともあり、いつでも作品のアイデアを全体に共有することでき、部署の垣根なく、議論をすることができます。

写真提供:演劇集団Q

──「演劇集団Q」らしさは、作品の中にはどのように現れてくるのでしょうか?

松本:作品の迫力の強さが特徴だと思います。変化の大きな演出や熱量の高い演技を通じて、お客さんが、ただ見るのではなく、身体全体で感じられるような作品を目指しています。表面的な表現にならないよう、演出意図などの議論を深め、劇場に来たお客さんの価値観の根本が揺らぐような非日常的な体験をして欲しいという思いで、作品をつくっています。

桶田:入団のきっかけとなった先輩の作品でも、今までの演劇に対する捉え方が打ち砕かれ、「心」というよりも「魂」が動くような感覚がありました。自分たちがつくる作品でも、お客さんにそんな体験をして欲しいと思っています。

写真提供:演劇集団Q

──作品づくりの過程も、出来上がる作品も、エネルギッシュですね!これからどんな作品が生まれるのか、とても楽しみです!

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